平成29年9月27日、新宿区にある京王プラザホテルにて『アクティブ福祉in東京’17』が開催されました。
当法人では、むさしの園から1テーマの研究発表を行い、奨励賞の『東京都介護福祉士会長賞』を受賞しました。今回の研究発表についてご紹介します。
発表者:多摩の里むさしの園 介護課 早坂 穣 ・ 長尾 恵利香
テーマ:『介護職員と歯科衛生士の連携によるサービスの向上』
むさしの園では、ご入居者お一人おひとりの口腔内の特徴への理解やそれに対応するための専門的な知識・技術が不足している面があり、十分な口腔衛生を保てていないことが課題になっていました。
歯科衛生士が常勤職員として入職した関係で、全ご入居者へ定期的な口腔ケアを実施すると共に、口腔状態の確認と把握を行いました。ご入居者の中には、口腔内の痛みにより義歯の着用ができず、ご本人が望む食事形態で食事を召し上がれない方や、義歯の着用ができないために他者との会話・交流を遠慮されてしまう方など、介護職員による口腔ケアが困難な方が多くいました。この問題の解決のために、歯科衛生士から介護職員へ専門的な知識・技術を伝える機会を設け、ご入居者についての情報共有や連携した支援を実施することで、生活の質を向上するための取り組みを行いました。
今回の取り組みにより次の成果がありました。
◆食事形態を極刻み食から常食へ変更できた
◆介護職員のご入居者への口腔内の観察力やケア技術が向上した
◆義歯着用を拒否していたご入居者の口腔内の状態向上とともに義歯の調整を行った結果、他のご入居者との会話が多く聞かれるようになった
今回の取り組みにより、以前よりも食事を楽しんでいただくことができ、また、ご入居者同士の関係性の向上や、日常生活での活動性も向上することができました。介護予防や誤嚥性肺炎等の疾病の予防により、ご入居者に健康的な生活を送っていただくという観点も併せて意識しながら、今後も取り組みを継続していきたいと考えております。